山形リノベーションまちづくり推進協議会

山形リノベーションまちづくり推進協議会について

山形リノベーションまちづくり推進協議会
高橋一夫

リノベーションとは、リフォームのように再生させるのではなく、空間を新しい使い方で活用できるようにし、付加価値を生むことです。例えば、何年も休業していた旅館をシェアアパートにしたり、築40年にもなる雑居ビルを、さまざまなテナントが入るような現代的なデザインのビルにしたりと、用途や機能を変化させることで不動産の価値を高めます。

例えば、旅館をシェアアパートにした事例では、3年間でリノベーション投資を回収し、家賃収入が得ることができる若者のまちなか住居となりました。

山形リノベーションまちづくり推進協議会は、社会問題となっている空き家、空き店舗や公共施設(公園、道路等)という、いわゆるストックを資産と捉え直し、現在のライフスタイルに沿った活用法を考え、住む場所、働く場所、人が集まる場所に変え、さらに、仕事とコミュニティをつくり、人が山形に住み続けることを目指す産学官金連携の任意団体です。

協議会メンバーは、東北芸術工科大学、㈱日本政策金融公庫山形支店、㈱マルアール(まちづくり会社)、㈱山形銀行、山形県宅地建物取引業協会、山形市、荘内銀行から構成され、各メンバーの役割は以下のとおりです。

山形リノベーションまちづくり推進協議会について

1.協議会の活動方針

協議会として動くことで、画一的でないアイデアがいきかい、集合知を生みます。事業決定はシンプルに、取り組んでいる内容は協議会メンバーにオープンにします。全てのプロジェクトに全メンバーが参加するわけではなく、状況やニーズに応じてチームアップしていきます。
物件のデザインや使い方は建築家のノウハウを活かし、これに不動産、金融、税理士それぞれのノウハウを持ち寄り、物件オーナーに対してプレゼンすることで、より円滑にリノベーションが図られます。各メンバーの得意分野を編集することで、成果を最大化していくことを活動の基本とします。

2.どのようなまちづくりを行うのか

■公民連携型のまちづくり

山形リノベーションまちづくりは、公民連携型のまちづくりです。パブリックマインドをもった不動産オーナーと市民が公共の一翼を担います。民間がまちの一画でプロジェクトを立ち上げ、そしてそういう人をバックアップする公共がともに動きます。
さらに、民間と公共の不動産オーナーが連携して変化を生み出します。民間の小さな遊休資産と、公共が保有する資産をまちのために活用し始めれば、まちは変わり、エリアの価値が高まります。マスタープラン型の都市計画から、点でつながって面になるような、部分の集積が全体化していく新しい都市開発を目指します。

■地域が抱える複数の課題を並行して解決するリノベーションまちづくり

地域の経営課題を民間活力で解決するのがリノベーションまちづくりです。
例えば、人口流出の問題と、空き家、空き店舗増加の問題を結びつけ、ストックを活用し、都市型産業を集積することにより、商店街を消費の場だけではなく、生産も行う場に変え、雇用を創出する地域再生が可能です。

■移住推進とまちづくりの一体化

協議会の構成メンバーである東北芸術工科大学と日本政策金融公庫は、「移住+起業」促進を1つの協働事業に掲げ、2015年に連携協定を締結しました。空き家、空き店舗をオフィス、コワーキングスペースにリノベーションし、企業のサテライト、クリエイタ―を誘致します。
あくまで定住人口が増えることが理想ですが、若い人を中心に新しい移住のスタイルがみられます。それは、一定期間、ある地域で過ごす2拠点居住、週末移住などの「半定住」です。こうしたニーズに柔軟に対応できる都市を目指します。
移住の意思決定には、仕事、住まい、人のつながりといった要素が必要になります。協議会では、そうした情報を編集し配信するwebサイトを構築し、山形の定住・交流人口を増加させるためのプラットホームをつくっていきます。

3.当面の活動

リノベーションまちづくりの意思決定者である、パブリックマインドをもった民間の不動産オーナーを探すための啓蒙活動=リノベーションまちづくりへの理解と共感=を進めるためのシンポジウム、セミナーを開催し、その後、あるエリアを集中してリノベーションしていきます。さらに移住促進のためのwebマガジンの制作を行い、リノベーションまちづくりに関するイベントや取組を発信することで移住希望者を誘引します。